コーヒー豆の仕入れ先は、味だけで決めない。
更新日:10月1日
店を開きたい気持ちの中には、楽しみも、不安も、「たぶん何とかなる」という自信もあります。どれか一つを消す必要はありません。大切なのは、その気持ちを一つずつ行動に変えていくことです。
この文章は、開業を難しく見せるためではありません。分からないことを具体的にして、最初の一歩を少し軽くするために書いています。
豆を飲んで、おいしい。
値段も合う。
では、ここから仕入れよう。
もちろん、それも大切です。
でもカフェで毎日コーヒーを出すなら、仕入れ先を見るポイントはもう少しあります。
店で必要なのは、一杯のおいしさより再現性。
試飲会で一杯おいしいことと、毎朝同じ味を出せることは別です。
豆の状態が変わったとき。季節が変わったとき。スタッフが変わったとき。
どう調整すればいいか。
営業では、最高点より、毎日の安定が大切になることがあります。
仕入れ先がレシピや調整まで共有してくれるかを見ます。
開業前にこのテーマを考えると、必要以上に怖く感じることがあります。特に、豆の味が安定せず、お客さんに毎回違うコーヒーを出してしまうことは、まだ営業していない段階では答えが見えないからこそ大きく感じます。
ただ、「店で必要なのは、一杯のおいしさより再現性。」で必要なのは、完璧な正解ではありません。自分の店ならどうしたいかを一度仮置きすることです。数字でも、図でも、候補でもいい。仮の答えがあると、次に確認することが見えてきます。
逆に少し注意したいのは、試飲で一番おいしい豆、または一番安い豆を選べばいいという考えことです。勢いは開業に必要ですが、その勢いを長く守るために、今の段階で一つだけ根拠を足しておく。僕はそのくらいのバランスがちょうどいいと思っています。
供給が止まらないことも、味の一部。
人気のブレンドが突然欠品する。
納期が読めない。
カフェ側からすると、かなり困ります。
定番商品は、お客さんとの約束でもあります。
味だけでなく、必要な量を必要なタイミングで供給できる体制も、仕入れ先を選ぶ基準です。
ここは、店づくりの中では少し地味な話です。内装やマシンのように写真映えもしません。でも、開業後に「もっと早く考えておけばよかった」となりやすいのは、こういう地味な部分です。
味も供給も教育も含めて、長く一緒に店を育てられる仕入れ先を持つことという希望があるなら、「供給が止まらないことも、味の一部。」はその希望を小さくするための話ではありません。むしろ、好きなことを続けるための余白をつくる話です。
全部を一度に決めなくても大丈夫です。まずは味・供給・抽出支援・相談の4項目で仕入れ先を見ること。一つだけ動かすと、不安の輪郭が見えてきます。開業準備は、大きな勇気より小さな確認の積み重ねで進みます。
価格は、1kg単価だけで比べない。
1kgが500円安い。
年間で見ると大きな差です。
でも、抽出の歩留まり、味の安定、研修、トラブル対応まで含めると、単純な単価比較では分からない価値があります。
安い豆を使って売上が落ちるなら、安くありません。
逆に、高い豆でも客単価やリピートにつながるなら、十分に合理的です。
「価格は、1kg単価だけで比べない。」で迷うのは、経験がないから当然です。初めて店を開くのに、最初からすべて分かっている人はいません。
僕が大事だと思うのは、正解を当てることより、外しても戻れる状態を残すことです。現金を残す。固定費を重くしすぎない。後から変えられるものは後回しにする。そういう余白があれば、開業後に現実を見ながら修正できます。
根拠のない自信も、全部なくす必要はありません。「自分ならできる」という気持ちは大事です。ただ、その横に数字や確認を一つ置く。その繰り返しで、自信が少しずつ強くなります。
ロースターを、業者ではなく相談先にする。
新しいドリンクをつくりたい。
ラテアートが安定しない。
エスプレッソの味が急に変わった。
そんなとき、豆を送って終わりではなく、一緒に原因を考えてくれる仕入れ先は強い。
特に開業直後は、現場で判断することが多い。仕入れ先との距離の近さが、店の立ち上がりを助けることがあります。
調べるほど情報が増えて、かえって動けなくなることがあります。ネットには全国の店の事例が出ていますが、その全部が自分の店に必要なわけではありません。
「ロースターを、業者ではなく相談先にする。」も、自分の10〜15坪の店、自分の営業時間、自分の資金、自分の家族に合わせて考えればいい。一般論をそのまま背負う必要はありません。
開業前の金縛りは、情報が足りないことより『どの情報を自分に当てはめればいいか分からない』ことで起きることがあります。そんなときは、誰かと話しながら自分の条件に翻訳するだけで、かなり軽くなります。
豆を買うのではなく、店の味を預ける。
コーヒー豆は、毎日お客さんに出す商品の中心です。
だから僕は、価格表だけでは決めません。
味。再現性。供給。教育。相談できる関係。
その全部を含めて仕入れ先を選びます。
長く続くカフェほど、仕入れ先もチームの一部になっていくと思っています。
店を持ちたいと思ったとき、頭の中にはたぶんもう景色があります。カウンターに立つ自分、お客さんがコーヒーを飲む姿、常連さんができていく時間。
「豆を買うのではなく、店の味を預ける。」のような実務は、その景色と反対側にあるものではありません。夢を現場まで運ぶための橋です。
面倒なことを一つ終わらせるたびに、開業は少し現実になります。準備は夢を冷ますためではなく、夢の解像度を上げるためにあります。
まだ、相談するほど決まっていなくても。
物件が決まっていない。予算も曖昧。何を聞けばいいかも分からない。そういう段階でも大丈夫です。むしろ、その段階だからこそ誰かに話してみる意味があります。
きれいな事業計画書を作ってから相談する必要はありません。物件のスクリーンショット一枚でも、ノートに書いた予算でも、「カフェをやりたいんですが、何から考えればいいですか」という一言でも十分です。
ELEPHANT COFFEEにコーヒーを飲みに来て、店を見ながら話してみる。今村に相談してみる。InstagramのDMで、まだ何も決まっていないことをそのまま送ってみる。
話したから必ず開業しないといけないわけではありません。話してみて「今じゃない」と分かることも、「この予算ならここから」と見えることもあります。それも、ちゃんと前進です。
一人で考え続けて動けなくなるくらいなら、まず一度、店を見に来てください。コーヒーを飲みながら、自分の店の話をするところからでいいです。
ELEPHANT COFFEE
福岡県筑紫野市、朝倉街道駅前。
エスプレッソ、ラテアート、焙煎を中心に、小さなカフェを営んでいます。
営業時間:10:00–18:00
アクセス:Googleマップで見る
店頭でのコーヒー提供のほか、ラテアート教室、バリスタ向けレッスン、コーヒー豆の卸販売、カフェ開業サポートも行っています。
CAFE OPENING SUPPORT|カフェ開業サポート
これからカフェを開きたい方へ。
物件選び、資金計画、エスプレッソマシン、メニュー設計、抽出レシピ、スタッフ教育、プレオープン、集客まで。
ELEPHANT COFFEEでは、店を開くところだけではなく、開いたあとに続く店をつくることまで一緒に考えています。
すでに物件を探している方も、まだ何から始めればいいかわからない方もご相談ください。
LESSON|ELEPHANT COFFEEで学ぶ
初心者の方から、現役バリスタ、カフェ開業を目指す方、海外で働きたい方まで。
目的に合わせたレッスンを行っています。
ラテアート教室
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海外のカフェでバリスタとして働くことを目指す方向けの実践プログラム。
ELEPHANT COFFEE
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