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カフェ開業に、1,000万円は高いのか。

5 日前
読了時間: 9分

更新日:4 日前


「開ける店」ではなく、「稼げる店」をつくるためのお金。

カフェは、安くつくろうと思えばつくれます。

居抜きを使って。中古の厨房機器を探して。内装も最低限にして。

300万円。500万円。

それくらいでオープンすることも、不可能ではありません。

でも、

店を開けられることと、店で稼げることは、少し違います。

もし、コーヒーを主力にして。

エスプレッソとカフェラテをしっかり売って。

ワンオペでもピークを回して。

毎月きちんと利益を残す。

そんな店をつくるなら、

僕は1,000万円前後をひとつの基準に考えます。

1,000万円という数字だけを見ると、高く感じるかもしれません。

でも、店をつくるためのお金というより、

売上をつくれる店にするためのお金。

そう考えると、少し見え方が変わってきます。





安く開くことを、ゴールにしない。

開業前は、どうしても初期費用を下げたくなります。

内装を削る。

機械を安くする。

冷蔵庫は小さくする。

客席も最低限にする。

もちろん、無駄なお金を使う必要はありません。

僕も、使わなくていいところには使わなくていいと思っています。

ただ、

売上を生む部分まで削ってしまうと、あとから取り戻すのが難しい。

これは、かなり大事です。

たとえば、

月に10万円節約するために設備を落とした結果、

毎日のピークタイムで注文を取りこぼす。

それが1年続く。

そうなると、

最初に抑えた数十万円よりも、

失った売上の方が大きくなることがあります。

開業費は、

「いくら安くできたか」

だけで考えない方がいい。

そのお金が、あとからいくら売上を生むのか。

そこまで考えて決める方がいいと思います。






コーヒーで稼ぐなら、エスプレッソマシンは2連。

ここは、かなり重要です。

もし、

アメリカーノ。

カフェラテ。

フラットホワイト。

シグネチャードリンク。

そういったエスプレッソメニューを主力にするなら、

僕は基本的に2連のエスプレッソマシンを考えます。

理由は単純で、

店の処理能力が変わるからです。

1連でも、おいしいエスプレッソは淹れられます。

問題は、混んだときです。

注文が一気に5杯入る。

ラテが3杯。

アメリカーノが2杯。

そのときに、

1杯抽出して。

次のショットを準備して。

ミルクをスチームして。

また次を抽出する。

ワンオペなら、あっという間に注文が溜まります。

お客さんを待たせる。

スタッフは焦る。

次の注文を受けるのが怖くなる。

せっかくお客さんが来ているのに、

機械の処理能力が売上の上限になってしまう。

これは、かなりもったいない。






2連は、「贅沢」ではなく「生産設備」。

2連のエスプレッソマシンというと、

ちょっと大げさに見えるかもしれません。

「小さい店なのに、そこまで必要?」

と思う人もいると思います。

でも、僕は逆だと思っています。

小さい店だからこそ、必要になることがある。

特にワンオペなら、

人を増やして処理するのではなく、

設備の力で処理能力を上げる。

その方が合理的です。

2連なら、

片方で抽出しながら、もう片方の準備ができます。

複数のショットを同時に進められます。

抽出とスチームも並行しやすい。

ピークの10分間で何杯出せるか。

その差が、

1日の売上を変えます。

つまり、

2連のエスプレッソマシンは、

高級なインテリアではありません。

売上をつくるための生産設備です。






1杯ではなく、「1時間」で考える。

設備を考えるときに、

1杯をつくれるかどうかだけを見ると、判断を間違えやすいです。

大切なのは、

1時間で何杯つくれるか。

です。

たとえば、ランチ後の30分。

休日の14時。

イベント帰りのお客さんが一気に入ってきた時間。

店には、必ず波があります。

その波が来たときに、

20杯取れるのか。

30杯取れるのか。

40杯取れるのか。

カフェは平均だけではなく、

ピークをどう処理するかで売上が変わります。

普段は1連で足りていても、

一番売れる時間に足りない。

それなら、その設備は店の成長を止めます。

だから僕は、

今の売上だけではなく、

売れたときに耐えられる設備を最初から考える。

これが大事だと思っています。






1,000万円は、どこに使うのか。

10〜15坪。

ワンオペを基本にして。

コーヒーを主力にする。

そんな店なら、

僕なら1,000万円をこんなイメージで考えます。


物件取得費 80〜100万円

敷金、礼金、保証金、仲介手数料、前家賃。

物件を借りるだけでも、まとまったお金が必要です。

ただし、

家賃が安いだけで決めない。

電気容量。

給排水。

空調。

エスプレッソマシンを置ける環境。

ここまで含めて物件を選びます。


内装・電気・給排水 250〜300万円

ここも重要です。

ただ、豪華にするという意味ではありません。

僕なら、

装飾よりも、

カウンターの動線と設備工事にお金を使います。

エスプレッソマシン。

グラインダー。

冷蔵庫。

製氷機。

シンク。

レジ。

洗い場。

これらを、

なるべく少ない歩数で動けるように配置する。

ワンオペでは、

毎日の1歩、2歩が積み重なります。

格好いいだけの店ではなく、

働きやすい店をつくる。

そのための内装です。


エスプレッソマシン・グラインダー 250〜300万円

ここは削りすぎない。

2連の業務用エスプレッソマシン。

業務用グラインダー。

浄水設備。

タンパー。

スケール。

ピッチャー。

必要なバリスタツール。

ここは、

コーヒーを売る店の心臓部。

だと思っています。

高ければいいわけではありません。

でも、

性能。

安定性。

メンテナンス。

修理体制。

そして処理能力。

価格以外の部分まで見て決めます。


厨房設備 80〜100万円

コールドテーブル。

製氷機。

冷凍庫。

オーブン。

シンク。

作業台。

このあたりは、

全部新品でなくてもいいと思います。

中古で十分なものは、中古を使う。

ここはメリハリです。

何でも新品。

何でも最高級。

ではなく、

売上に直結する設備を優先する。

それでいいと思います。


家具・食器・POS・看板 50〜80万円

テーブル。

椅子。

カップ。

グラス。

メニュー。

レジ。

看板。

Wi-Fi。

スピーカー。

細かいものを揃えると、意外とお金がかかります。

ここも、

すべてにお金をかける必要はありません。

でも、

カップだったり、

メニューだったり、

お客さんが実際に触れる場所は、

店の印象をつくります。

削るところ。

残すところ。

その境界線を決めます。


開業前の仕入れ・販促 30〜50万円

コーヒー豆。

ミルク。

デザート材料。

テイクアウト資材。

印刷物。

広告。

撮影。

オープン前の告知。

ここも忘れやすい費用です。

店が完成しても、

お客さんが来なければ始まりません。

だから僕なら、

オープン前から、

「この店が始まります」

という情報を出し続けます。


運転資金 150〜200万円以上

そして、最後に残すお金。

ここがかなり重要です。

1,000万円あるから、

1,000万円全部で店をつくる。

ではありません。

店をつくったあとにも、お金は残しておく。

最低でも3ヶ月。

できれば6ヶ月。

その間に必要な、

家賃。

材料費。

光熱費。

返済。

自分の生活費。

そこまで考えます。

オープン直後は、

何が起きるかわかりません。

思ったより売れないかもしれない。

逆に売れすぎて、追加設備が必要になるかもしれない。

だから、

現金を残しておくことも、

立派な設備投資です。






高い機械を買うことが、正解ではない。

ここまで書くと、

「高い設備を入れれば成功する」

という話に見えるかもしれません。

もちろん、そうではありません。

2連のエスプレッソマシンを入れても、

お客さんが来なければ売上はゼロです。

1,000万円かけても、

家賃が高すぎれば苦しくなります。

内装が格好よくても、

コーヒーがおいしくなければ続きません。

大切なのは、

設備、立地、商品、価格、集客。

全部がつながっていることです。

設備だけ立派な店ではなく、

その設備を使い切れる店をつくる。

そこまで考えて、初めて投資になります。






1,000万円を借りられる事業計画をつくる。

僕は、

必ず自己資金で1,000万円用意しないといけない、

という意味では考えていません。

自己資金。

融資。

リース。

それぞれを使いながら、

開業資金を組みます。

大事なのは、

「1,000万円借りたいです」

ではなく、

なぜ1,000万円必要なのか説明できること。

このエスプレッソマシンで、

1時間にこれだけ提供する。

この席数で、

1日これくらいのお客さんを想定する。

客単価はこのくらい。

月商はこのくらい。

家賃はこのくらい。

返済をしても、

これだけ利益が残る。

そこまで組み立てる。

そうすると、

1,000万円という数字が、

ただの大きな金額ではなくなります。

事業をつくるための数字になります。






小さな店ほど、設備に助けてもらう。

ワンオペのカフェは、

人件費を抑えられます。

でもその代わり、

ひとりでやらなければならない仕事が多い。

注文を取る。

会計する。

エスプレッソを淹れる。

ラテをつくる。

デザートを出す。

洗い物をする。

片付ける。

その全部を、

ひとりで回します。

だからこそ、

機械にできる仕事は、機械に任せる。

僕は、これが大事だと思っています。

設備投資というと、

お金を使うことばかり考えます。

でも、

いい設備は、

時間をつくります。

余裕をつくります。

そして、

売上をつくります。






「開けるカフェ」と「稼げるカフェ」は違う。

300万円でも、店は開けられるかもしれません。

500万円でも、素敵な店はつくれると思います。

それを否定するつもりはありません。

でも、

コーヒーを主力にして。

しっかり売上をつくって。

ワンオペでも高い生産性を出して。

何年も続けていく。

そこまで考えるなら、

必要な投資はしていい。

僕はそう思っています。

だから、

「カフェを開くのに1,000万円は高いですか?」

と聞かれたら、

金額だけでは判断しません。

その1,000万円が、

ただ消えていくお金なのか。

それとも、

5年、10年と売上を生み続ける設備になるのか。

そこを見ます。

安く開くことが、

正解ではない。

高くつくることも、

正解ではない。

きちんと稼げる店に、必要なだけ投資する。

その結果が、

1,000万円になる。

それなら、

決して高すぎる金額ではないと思っています。


 
 
 

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