カフェのメニューは、多い方がいいのか。
開業前のメニュー表は、だいたい増えていきます。
ラテもやりたい。抹茶も。チャイも。ソーダも。季節限定も。
デザートも一つでは不安になる。
気づけば、メニュー表は立派になっている。
でも、ワンオペの小さな店では、メニューの多さがそのまま強さになるとは限りません。
一品増えると、仕事は一つ以上増える。
新しいドリンクを一品増やす。
必要なのはレシピだけではありません。
材料を仕入れる。在庫を置く。賞味期限を見る。スタッフに教える。注文時に説明する。洗い物が変わる。
売れなければ、その材料はロスになります。
メニュー数は、見た目以上に裏側の仕事を増やします。
主役を一つ決める。
僕なら、最初に「何で売上をつくる店か」を決めます。
エスプレッソなら、アメリカーノ、カフェラテ、そこから派生するシグネチャードリンク。
デザートなら、主力を数種類。
全部を同じ強さで並べるのではなく、主役と脇役をつくります。
何を注文すればいい店なのか、一目で分かる方が、お客さんも選びやすい。
原価より、オペレーションを見る。
原価率30%だから優秀。
数字だけで見るとそうかもしれません。
でも、仕込みに30分かかり、提供に5分かかり、ピーク時に他の注文を止めるなら、本当のコストはもっと大きい。
ワンオペでは、時間も原価です。
売価から材料費だけを引くのではなく、その一品が何分厨房を占有するかまで見ます。
季節限定は、増やすためではなく動かすため。
限定メニューは、店に変化をつくれます。
SNSで話す理由にもなります。
ただし、定番が弱いまま限定を増やすと、店全体が散らかります。
まず定番を強くする。その上で、一つ入れて、一つ終える。
限定はメニュー数を増やす仕組みではなく、お客さんにもう一度来てもらうきっかけとして使います。
メニュー表は、店の意思表示。
置いてあるものを全部書く紙ではありません。
この店で何を飲んでほしいのか。
何を一番おいしく出せるのか。
その答えが見えるメニューは、少なくても強い。
小さな店ほど、増やすより、磨く。僕はその方がいいと思っています。



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