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『カフェをひらくには、いくら必要だろう』 10〜15坪。ワンオペ。エスプレッソマシンのある、小さな店の場合。

7 日前
読了時間: 8分

更新日:4 日前



カフェをやりたい。



そう思ったとき、物件より先に気になるのは、たぶんお金のことです。

いくらあれば、店はつくれるのか。

300万円なのか。500万円なのか。それとも、1,000万円ないと難しいのか。

答えは、もちろん店によります。

居抜きか、スケルトンか。新品を選ぶか、中古を使うか。駅前なのか、住宅地なのか。どこまで自分でやるのか。

条件を変えれば、金額はいくらでも動きます。

それでもひとつの目安を出すなら、

10〜15坪ほど。基本はワンオペ。業務用のエスプレッソマシンを置く。

そんな小さなカフェなら、

500〜800万円前後。

まずは、このあたりから考えてみるといいと思います。

ただし。

カフェ開業で本当に大切なのは、

「いくらで店をつくれるか」ではありません。

「いくら残して店を開けられるか」です。




小さな店には、小さな店の強さがある。

今回考えるのは、10〜15坪ほどのカフェ。

客席は10〜20席。

厨房に立つのは、基本ひとり。

エスプレッソ、アメリカーノ、カフェラテ。そこに焼き菓子や、いくつかのデザート。

ランチを何種類もつくったり、大きな厨房を抱えたりはしない。

いわゆる、コーヒーを中心にした小さな店です。

小さい店というと、売上も小さくなると思われることがあります。

でも、必ずしもそうではありません。

小さいから、家賃を抑えられる。

人をたくさん雇わなくていい。

オペレーションもシンプルになる。

そして何より、店主の目が店の隅々まで届く。

最初の一店舗としては、むしろかなり合理的だと思います。




まず、店を借りる。

物件取得費 50〜150万円

家賃10万円の物件を借りるからといって、10万円では店は始まりません。

敷金。礼金。保証金。仲介手数料。保証会社。前家賃。

契約した時点で、まとまったお金が動きます。

目安としては、

家賃の5〜10ヶ月分程度。

家賃10万円なら、50〜100万円。

条件次第では、それ以上になることもあります。

そして、カフェの物件探しで見てほしいのは、家賃だけではありません。

エスプレッソマシンを置くなら、

電気容量は足りるか。

給水は取れるか。

排水はあるか。

浄水器を設置できるか。

エアコンは使えるか。

「家賃が安い物件」が、必ずしも「安く開業できる物件」とは限りません。

少し不思議ですが、これは本当です。




店の見た目より、まず動線。

内装工事 150〜300万円

カフェづくりで、お金が大きく動く場所。

それが内装です。

床。壁。照明。カウンター。電気。水道。空調。

写真で見ると一枚の「素敵な店」ですが、その裏側にはかなりの工事があります。

スケルトンから全部つくれば高くなります。

飲食店の居抜きを上手に使えば、かなり抑えられます。

ここで僕なら、

見た目より先に、動線を考えます。

もちろん、店は格好いい方がいい。

でもワンオペの店なら、

エスプレッソを抽出して、

ミルクを取って、

氷を入れて、

会計して、

洗い物をする。

その一連の動きが何歩で終わるのか。

毎日100回繰り返す動作なら、

たった2歩の違いが、1年後にはものすごい差になります。

美しい店と、働きやすい店。

理想は、その両方です。




エスプレッソマシンには、お金を使っていい。

エスプレッソ設備 150〜300万円

コーヒーを中心に店をつくるなら、ここは大きく削りたくない部分です。

業務用エスプレッソマシン。

グラインダー。

浄水器。

タンパー。

ノックボックス。

スケール。

ミルクピッチャー。

カップ。

一つひとつ揃えていくと、かなりの金額になります。

エスプレッソマシンだけでも、100万円を超えるものは珍しくありません。

グラインダーを含めれば、

150〜300万円程度。

もちろん中古という選択肢もあります。

リースという考え方もあります。

ただ、

毎日何十杯、何百杯と使う機械だからこそ、価格だけで決めない方がいい。

壊れたときに誰が来てくれるのか。

部品はあるのか。

修理に何日かかるのか。

カフェにとって、エスプレッソマシンが止まるということは、かなり大きいです。

高い機械を買えばいい、という話ではありません。

営業を止めないための設備を選ぶ。

その視点は持っておきたいところです。




冷蔵庫は、中古でもいい。

厨房設備 50〜100万円

コールドテーブル。

製氷機。

冷凍庫。

シンク。

電子レンジ。

オーブン。

必要なものを全部新品で揃えると、あっという間に予算が膨らみます。

ここは中古を上手に使えます。

全部を最高級にする必要はありません。

お金をかけるところと、抑えるところを分ける。

エスプレッソマシンにはお金をかける。

ステンレスの作業台は中古。

そんなふうに、店全体でバランスを取ればいいと思います。




「あと3万円」が、何度も来る。

家具・食器・レジ・看板 30〜80万円

開業準備を始めると、意外なほど細かい買い物が多いです。

椅子。

テーブル。

カップ。

グラス。

スプーン。

トレー。

棚。

ゴミ箱。

POSレジ。

メニュー。

看板。

Wi-Fi。

スピーカー。

ひとつなら数千円。

だから油断します。

そして最後に全部足すと、

「こんなに使ったっけ?」

となります。

開業前は、

あと3万円。あと5万円。あと2万円。

が何度もやってきます。

細かい備品用に、最初から予備費をつくっておいた方が安心です。



最初から、何でもやらなくていい。

初回仕入れ 20〜40万円

コーヒー豆。

ミルク。

砂糖。

シロップ。

デザート材料。

テイクアウトカップ。

ペーパー類。

当然、営業を始めるための材料も必要になります。

ただ、最初からメニューを増やしすぎる必要はありません。

むしろワンオペなら、

メニューを減らすことも、立派な設計です。

エスプレッソ。

アメリカーノ。

カフェラテ。

数種類のシグネチャードリンク。

デザート。

それだけでも店は成立します。

メニューが増えれば、

仕入れが増える。

在庫が増える。

仕込みが増える。

ロスが増える。

迷いも増える。

小さな店ほど、何を置くか以上に、

何を置かないか。

これが大事になります。



そして、一番残しておきたいお金。

運転資金 100〜200万円以上

ここは、少し強く言いたいです。

開業資金を全部使って、店を開けない方がいい。

500万円持っている。

だから500万円使って店をつくる。

一見、普通に思えます。

でも、オープンした翌日からも、お金は必要です。

家賃。

水道光熱費。

材料費。

ローン返済。

広告費。

そして、自分の生活費。

店を開けた瞬間から、満席が続く保証はありません。

最初の1ヶ月は話題になっても、そのあと落ち着くこともあります。

逆に、認知されるまで半年かかる店もあります。

だから僕なら、

最低3〜6ヶ月分。

できれば、

100〜200万円以上は運転資金として残します。

店をつくるためのお金ではありません。

店を続けるためのお金です。



では、総額はいくらなのか。

ざっくり整理すると、こうなります。

物件取得費50〜150万円

内装工事150〜300万円

エスプレッソ設備150〜300万円

厨房設備50〜100万円

家具・POS・看板など30〜80万円

初回仕入れ20〜40万円

運転資金100〜200万円以上

もちろん、単純に全部を足せばいいわけではありません。

居抜きなら内装費は下がります。

中古設備を使えば厨房費も落とせます。

一方で、スケルトンからこだわってつくれば1,000万円を超えることもあります。

感覚としては、

抑えてつくるなら、350〜500万円。

現実的なラインは、500〜800万円。

しっかりつくり込めば、800〜1,000万円以上。

10〜15坪。

ワンオペ。

エスプレッソ中心。

僕なら、

600〜700万円前後をひとつの基準に資金計画を考えます。



15席の店は、いくら売ればいいのか。

そして、開業費と一緒に考えてほしいことがあります。

売上です。

たとえば、

15席。

客単価1,000円。

1日50人。

月25日営業。

なら、

1日5万円。

月商125万円。

ここから、

材料費。

家賃。

光熱費。

人件費。

借入返済。

その他の経費を払います。

この計算をすると、

「いい感じの店をつくりたい」

という話から、

「この店はいくら売らなければならないのか」

という経営の話に変わります。

これが大切です。

カフェは、席数をつくる仕事ではありません。

その席から、どう売上をつくるかを考える仕事でもあります。



500万円あるなら、500万円の店をつくらない。

内装をもう少しよくしたい。

椅子をいいものにしたい。

もっといい照明をつけたい。

開業前は、やりたいことが次々と出てきます。

それ自体は、とてもいいことです。

せっかく自分の店をつくるのだから。

でも、

500万円持っているなら、

500万円を全部、店に変えなくてもいい。

400万円で店をつくり、

100万円を銀行口座に残してオープンする。

それも立派な店づくりだと思います。

むしろ、

その100万円が、半年後の店を守るかもしれません。




店をつくるお金と、店を続けるお金。

カフェ開業というと、どうしても「つくる」ことに目が向きます。

物件を決めて。

壁の色を決めて。

マシンを置いて。

カップを並べる。

そして看板を出す。

それは、たしかに楽しいです。

でも、

カフェの本当のスタートは、その翌日からです。

朝、鍵を開ける。

コーヒーを淹れる。

お客さんが来る。

また次の日も、鍵を開ける。

それを何年も続けていく。

だから開業資金を考えるときは、

「この店をつくるのにいくら必要か」だけではなく、

「この店を続けるために、いくら残しておくべきか」

まで考えてみてください。

小さなカフェなら、小さなカフェなりの戦い方があります。

広くなくてもいい。

メニューが多くなくてもいい。

スタッフがたくさんいなくてもいい。

ただ、

無理なく続けられて、

きちんと利益が残って、

おいしいコーヒーを出し続けられること。

それが、一番いい店なのかもしれません。

 
 
 

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