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家賃が安い物件ほど、高くつくことがある。

2 時間前
読了時間: 8分
開業前は、不安と楽しみと「たぶん何とかなる」が同時にあります。そのどれも、店を始めたい人にとって自然な感情です。大切なのは、その気持ちを消すことではなく、一つずつ行動に変えていくことです。

この文章は、開業を怖がらせるためのものではありません。逆に、分からないことを具体的にして、最初の一歩を少し軽くするために書いています。



家賃だけを比較しない。



物件サイトでは、家賃が最初に目に入ります。


でもカフェは、電気、給排水、エアコン、厨房、防水、排気など、営業できる状態にするまでお金がかかります。


家賃が安くても、大きな工事が必要なら初期投資は増えます。




開業前にこの話を読むと、「そこまで考えないといけないのか」と少し重く感じるかもしれません。特に、家賃を払い続けられず、店を守れなくなることは、頭の中だけで考えていると必要以上に大きく見えます。


ただ、ここで大事なのは完璧な答えを持つことではありません。「家賃だけを比較しない。」について、自分の店ではどうしたいかを一度言葉にするだけで、ぼんやりした不安は具体的な課題に変わります。不安は、名前がつくと扱いやすくなります。


逆に気をつけたいのは、家賃が安い物件ほど安全だという考えことです。勢いは開業に必要です。でも、勢いを守るためにも、今の段階で一度だけ数字や条件に立ち返る時間をつくっておくと、その後の判断がかなり軽くなります。



5年で考える。



家賃差を5年分にすると大きな数字になります。一方で、初期工事費も一度に出ます。


どちらが正しいではなく、開業時の現金と毎月の固定費のバランスで考える。


特に小さな店は、オープン時に現金を使い切らないことが大切です。




ここは、開業したい人ほど早く通り過ぎたくなるところです。目の前には内装、マシン、メニューのようなワクワクするものがあるからです。でも「5年で考える。」は、数か月後の自分を助ける土台になります。


固定費と初期投資のバランスが取れた場所で長く続けることという希望があるなら、細かい準備はその希望を小さくするものではありません。むしろ、希望を長く続けるための現実的な支えになります。


全部を今日決めなくてもいいです。まずは初期工事費と五年分の家賃を同じ表で比べること。一つだけ動かすと、次に確認することが見えてきます。開業準備は、大きな決断を一回するより、小さな確認を何十回も重ねる仕事だと思っています。



安さではなく、回収できるか。



立地が少し高くても客数が取れる。工事費が高くても動線が良くワンオペで回る。


逆に安くても売上をつくりにくい場所なら、安い家賃に意味はありません。


物件は価格ではなく、事業として回収できるかで判断します。








家賃は毎月見える。工事費は最初にしか見えない。だから安い物件ほど、総額で見ます。



「安さではなく、回収できるか。」で迷うのは、準備不足だからではありません。まだ営業していない店の未来を、今の時点で決めようとしているから難しいのです。


だから僕は、正解を当てにいくより『外しても戻れる設計』を大切にします。固定費を重くしすぎない、現金を残す、契約条件を確認する。こうした余白があると、開業後に現実を見ながら修正できます。


根拠のない自信も、全部捨てる必要はありません。「自分ならできる」という感覚は、最後の一歩を踏み出す力になります。ただ、その自信の横に一つだけ根拠を置く。数字でも、確認でも、経験者の意見でもいい。その積み重ねが強い自信に変わります。



月2万円の差を、五年で見る。



家賃が月2万円安ければ、一年で24万円、五年で120万円です。これは確かに大きい。


でも安い物件で給排水、電気、空調に200万円余計にかかるなら、初期投資だけで五年分の差を超えます。


物件比較では『初期費用+五年分の固定費』を一度並べてみると、印象が変わります。




この段階で立ち止まる人は多いです。調べれば調べるほど情報が増え、何が自分に必要なのか分からなくなるからです。


そんなときは、一般論ではなく『自分の10〜15坪の店ならどうか』まで小さくして考えます。「月2万円の差を、五年で見る。」も、全国のカフェの答えではなく、自分の営業時間、客単価、家族、資金に合わせて決めればいい。


開業前の不安は、情報不足だけではなく、情報が多すぎることからも生まれます。必要なのは情報を増やし続けることより、誰かと一緒に自分の条件へ翻訳することかもしれません。



撤退コストまで見る。



入るときのお金だけでなく、出るときのお金もあります。原状回復、解約予告、残置物、設備の撤去。


長く続ける前提でも、契約条件は確認しておく。出口が重い物件は、経営判断の自由を奪います。


いい物件は、入れる物件ではなく、続けられて、必要なら動ける物件です。




ここまで準備している時点で、たぶん頭の中にはもう店の景色がかなり見えていると思います。お客さんが座って、コーヒーを出して、自分がカウンターに立っている景色です。


その景色を現実にするために「撤退コストまで見る。」のような地味な部分があります。華やかではないですが、こういう部分が整っている店ほど、オープン後に商品や接客へ集中できます。


夢と実務は反対ではありません。実務は、夢を現場まで運ぶための橋です。面倒な項目ほど、終わらせたあとに自由が増えます。



工事費を『家賃換算』してみる。



追加工事120万円なら、五年で月2万円です。こうやって工事費を月額に直すと、家賃差と同じ物差しで比較できます。


逆に、少し家賃が高くても設備が整っていて初期費用が低いなら、総コストは安いことがあります。


物件選びは不動産の買い物ではなく、事業の固定費設計です。




もし今、「まだそこまで決められない」と感じていても、それで止まる必要はありません。


「工事費を『家賃換算』してみる。」は、最終回答を出すより、仮の答えを置いてみることから始められます。仮に数字を入れる、候補を一つ出す、図面に線を一本引く。すると、足りない情報が具体的になります。


固定費と初期投資のバランスが取れた場所で長く続けることために必要なのは、全部分かってから動くことではなく、動きながら分からないものを減らしていくことです。開業できる人とできない人の差は、最初から知識があるかより、分からないことを一つずつ聞けるかに出ると思っています。



店を続けるために、最後にひとつ。



僕なら『家賃が安い』では決めません。営業開始までにいくら、五年でいくら、撤退時にいくら。この三つを並べます。





開業前にこの話を読むと、「そこまで考えないといけないのか」と少し重く感じるかもしれません。特に、家賃を払い続けられず、店を守れなくなることは、頭の中だけで考えていると必要以上に大きく見えます。


ただ、ここで大事なのは完璧な答えを持つことではありません。「店を続けるために、最後にひとつ。」について、自分の店ではどうしたいかを一度言葉にするだけで、ぼんやりした不安は具体的な課題に変わります。不安は、名前がつくと扱いやすくなります。


逆に気をつけたいのは、家賃が安い物件ほど安全だという考えことです。勢いは開業に必要です。でも、勢いを守るためにも、今の段階で一度だけ数字や条件に立ち返る時間をつくっておくと、その後の判断がかなり軽くなります。




まだ、相談するほど決まっていなくても。


ここまで読んでも、まだ物件が決まっていない。予算も曖昧。何を聞けばいいかも分からない。そういう段階でも、最初の一歩は踏み出せます。


きれいな事業計画書を作ってから相談する必要はありません。物件のスクリーンショット一枚でも、ノートに書いた予算でも、「カフェをやりたいんですが、何から考えればいいですか」という一言でも十分です。


ELEPHANT COFFEEにコーヒーを飲みに来て、店を見ながら話してみる。今村に相談してみる。InstagramのDMで、まだ何も決まっていないことをそのまま送ってみる。


開業は、大きな決断を一気にすることではありません。誰かに話してみることも、立派な一歩です。話したから必ず開業しないといけないわけでもありません。むしろ、話してみて初めて『今じゃない』と分かることもあります。それも前進だと思っています。


一人で考えて動けなくなるくらいなら、まず一度、店を見に来てください。コーヒーを飲みながら、自分の店の話をするところからでいいです。





ELEPHANT COFFEE

福岡県筑紫野市、朝倉街道駅前。

エスプレッソ、ラテアート、焙煎を中心に、小さなカフェを営んでいます。


営業時間:10:00–18:00


店頭でのコーヒー提供のほか、ラテアート教室、バリスタ向けレッスン、コーヒー豆の卸販売、カフェ開業サポートも行っています。





CAFE OPENING SUPPORT|カフェ開業サポート

これからカフェを開きたい方へ。


物件選び、資金計画、エスプレッソマシン、メニュー設計、抽出レシピ、スタッフ教育、プレオープン、集客まで。

ELEPHANT COFFEEでは、店を開くところだけではなく、開いたあとに続く店をつくることまで一緒に考えています。


すでに物件を探している方も、まだ何から始めればいいかわからない方もご相談ください。






LESSON|ELEPHANT COFFEEで学ぶ

初心者の方から、現役バリスタ、カフェ開業を目指す方、海外で働きたい方まで。

目的に合わせたレッスンを行っています。


ラテアート教室

初心者から段階的にステップアップしていく少人数制レッスン。


マンツーマンレッスン

一人ひとりの課題や目標に合わせて、エスプレッソ・ミルク・ラテアートまで個別にトレーニング。


家庭用エスプレッソマシン持ち込みレッスン

普段使用しているマシンを持ち込み、ご自身の環境に合わせて抽出やスチーミングを調整します。


ワーホリバリスタ養成プログラム

海外のカフェでバリスタとして働くことを目指す方向けの実践プログラム。




ELEPHANT COFFEE

GOOD COFFEE, BETTER DAYS.

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